2014/10/29

オリンパス製防水コンパクトデジカメ STYLUS TG-3 Tough

旬が過ぎていすぎるので、とりあえず文章だけ公開。あとで作例とか付け足していく所存。
サンプルはこちら

さて、私は防水コンパクトデジカメは、WG-2 GPSWG-3 GPS と、Pentax の WGシリーズを愛用していた。しかし、最新機種の WG-4 GPS には食指が動かなかった。Qi(無線充電)が外されたためである。なので、買い替えることもなく、今年も WG-3 GPS でお茶を濁そうと思っていた。まぁ、WG-3 GPS の Qi 充電も、マクロスタンドを外さねばならないという、使い勝手がひどい状態ではあったけどな。
そんな中、対抗であるオリンパスから TG-3 が発表された。あー、そんな時期だねー と思っていたら「深度合成モード」なる、マクロ域での被写界深度を画像合成によって悶えるほど深くできる撮影モードが搭載されているという。これは買わねばなるまい
しかし、オリンパスのコンデジは上位機種だとなかなか高い。ありえないほど高い。レンズやら安いミラーレスが買えるぐらいである。WG-3 GPS は3万前後で買ったのだが、TG-3 は4万~5万ぐらいだろうか。しかし、最近友人がカメラ屋でバイトを始めたらしい。ここはアレだ(以下略)。ということで、予算内で収めることができた。とは言っても、発売 1か月後だとこれくらいの値段になるよね、レベルですから!



ということで、TG-3 がやってきた。
所有している WG-3 GPSと比べてどうなのかというと、

  • 無線充電じゃない(Pentaxも後継機が非対応なので気にしない
  • マクロ用LEDライトが無い(オプションでAF補助光をLEDライトにするアダプタが用意されている。しかし、アダプタは水中不可能。駆動部は全くないので、浸水さえ気にしなければ使えそう?
  • でかめ?
という感じである。

ということで、LEDライトガイド LG-1 を買ってきた。ビックカメラで 5,000円(税であった。高くね? 数が出ないものだからしょうがないのだろうか。
実際に使ってみると、ペンタックスのマクロスタンドの使い勝手と大差がない。これは思わぬ誤算である。Pentax と比べてマクロが弱いと思っていたのだが、いろいろいじるに、AFの迷いも少なく、同等の性能で満足できるものだった。すげぇ! ということで、多彩なマクロ撮影モードも用意された OLYMPUS がマクロ最強と認識を新たにした次第である。マクロ野郎必須の LEDライトガイドが別売りなのはくっそ残念だが。


■とりあえず、撮影前の操作感
主な撮影モードはモードダイヤルで切り替えになる。撮影モード中に別途モードがあるときは、十字キーで選ぶことになる(シーンモードなど)。完全フルオート、顕微鏡(マクロ)モード、シーンモードがさっくり変更できるので、とり出してさっと撮る、というには便利だ。
フラッシュのモードなど細かい設定などは十字キーでメニューの深層までいくことになるのだが、これまでOLYMPUS製のミラーレス一眼を使用していたので、そんなに混乱することはなかった。しかし、いきなりこれを触れというのはちょっときついかもしれない。とはいえ、慣れである。


バッテリーの充電は本体を USBケーブルで接続して行う。近年のパッケージの簡素化の流れであるな。個人的には、バッテリー充電機付きの方が好きなんだが、USBケーブルによる充電がいいという人も多いので、それは個人の嗜好である。で、よろしくないと思ったのは、この USB のコネクタ口が独自なのだ。これまで Nikon のコンデジを買うことが多く、確かに Nikon も独自形状であった。しかし、独自かと思っていた形状は、Nikon、Pentax、Panasonic と 3社共通(所有しているデジカメの範囲で)だったのである。う~む、これは面倒だ。この 3社が共通なのは、ODM とかの都合によるものだろうか? とか思いつつ、E-M1 のファームウェアを Update しようとしたときに、はたと TG-3 のケーブルを使用してみたら、全く同一であった。どうやらオリンパス伝統の形状なのかもしれない。とはいえ、他社とケーブルの使い回しができないのはいささか面倒である。

さて、GPS 機能もある。他社製品と比べて、とても精度がいいらしい。すごいね!  ・・・私は GPS 機能は全く重視してない。とか言うか、これまで活用したことは皆無である。しかし、この GPS が曲者で、電源OFF時でもバッテリーを食いまくるのだ。つまり、充電しておいて数日放置して撮影に持って出かけると、バッテリーが消耗している、ということである。と、いうのは WG-3 GPS の話なのだが、TG-3 も似たようなものであろうな。

正直、通常の写りは二の次。防水カメラで高画質なカメラなんてない、というスタンスである。もちろん TG-3 も例に漏れず、通常の画質は称賛するほどでは無い。1/2.3 インチセンサーだとこんなもんですよねー、という感じである。まぁ、縮小したり、印刷したりするなら気にしなくていいのだろう。


■撮影時に気づいたこと
ということで、早速撮影に出かけよう。この間、発売日に買ってから3週間後にようやくであったり。しかし、記事の公開は5か月後である。

いじっていて気付いたのだが、ズームレバーの位置がよろしくない。撮影中にズームしたいときに「あれ? どこだっけ?」とよく確認してしまう。シャッターの右側という、現在の他のカメラでは見られない位置にズームレバーがあるのだ。防水用のパッキンの関係でこのような位置、操作系になったかと想像するが、もうちょっと操作しやすい位置にしてほしいところである。

で、撮影時のフォーカスポイントの位置はどうやって変えるのであろうか? メニュー内でどこーとしばらく探したが、見つからない。よし、マニュアルだ! どうやら手動でAFポイントを決めることは不可能なようだ・・・。基本、シャッター反押しで中央位置、反押ししたまま(AF Lock)構図を変更という、よくある手法を使うしかないようである。しかし、WiFiによるスマホ連携を利用するとスマホ側でフォーカス位置変更できるんだよね・・・変なの。ということで、被写体が動かない、かつカメラを固定する術があるならば、スマホ連携機能を使うのがいいようである。

また、通常撮影時にマクロモードというものが用意されていない。マクロモードに当たるのが、顕微鏡モードとなる。しかし、この場合はフォーカスが∞にはならない。マクロ域ではピントが合わず、モードを切り替えて撮影しないといけない、と思ったら今度は通常域でもピントが合わない、なんてこともあった。私はマクロ域がメインなので、そのように感じることが強かったのだが、普通の人なら大丈夫だろう。

何はともあれ深度合成モードである。改めて深度合成モードのおさらいをすると、少しづつフォーカス位置をずらして8枚連続撮影をし、被写界深度が深くなるように合成を行うというものである。特にマクロ域で威力を発する、というかマクロ専用モードである。本機種は1600万画素だが、このモードを使用すると800万画素相当まで落ちる。しかし、800万画素もあれば等倍表示でニヤニヤする人でも十分である。どのみち、PC画面上で見る分には500万画素もあれば問題ないと考えていたりする。

さて、この深度合成モードだが、多少の手振れがあっても、ズレを補正して合成してくれる。すばらしい。しかし、あまりにもズレが大きいと「合成できませんでした」と悲しげなメッセージのみ表示され、1枚目のみ記録される。片手でぷるぷる震えながらの撮影は、ほとんど成功しないという落ちであった。撮影できるかできないかは本当に博打である。とはいえ、カメラをしっかり固定して撮影できる場合はなかなか良さげな結果を得ることができた。いいぞ。これはいいぞ。

で、色々試してみたが、所詮コンデジ画質。やはり細部が潰れてしまう。これは、合成によるものか、それとも撮影の条件によるものかは判断できない。両方かもしれん。メーカーサンプル並みの画像を得るには、本当に動かない(死んでいる)虫を相手にせねば撮れないであろう。
また、撮影中に被写体が動いてしまった場合は、とても不自然な画像となる。生き物相手であるとその傾向がとても顕著であるのは仕方がない。とはいえ、やはり被写界深度が深いものはいいことである。



■スマホをリモコンに ~ OLYMPUS Image Share
さて、TG-3 は Wi-Fi 内蔵である。スマホをモニタ付きのリモコンとして利用できるのである。実際に使うには、スマホ側でアプリのインストール、Wi-Fi のペアリングなどの初期設定やら、使用段階では Wi-Fi の接続が完了するまで待たねばならないなどけっこう手間ではある。しかし、めったに使わないが面白い機能である。実は、E-M1 にも同機能があったんで、別段驚くものでもなかったりするのだが。

先に書いているが AFポイントの指定可能。ローアングルはおろか、ちょっと離れての撮影などいろいろな撮影シーンが妄想される。これは、カメラ自体の性能は違えど、SONYのレンズスタイルカメラの機能と同等なのだ。あれ? レンズスタイルカメラいらなくね? という。背面液晶が点きっぱなしなので、電力消費はちょっと心配ではあるが、面白いのですげー試すべきである。

と、色々夢が広がるのだが、この機能は水中では使えない。カメラが水中にあると、Wi-Fi の電波が遮断された状態になるのだ。水が電波を吸収してしまうため、水中の機器とはつながらなくなるのである。カメラだけ水につけた状態のときは、背面液晶を確認するのほぼ不可能となるため、水中の写真を撮りたい場合は素直に一緒に潜れ、ってことかもしれない。
よく考えたら当たり前の事で、原理的には理解できるのだが、がっかりである。


■まとめ
☆で示すなら、
★★★★☆
みたいな?

レンズであるが、ズーム域が広角よりなのが気になる。もちろん、高倍率ズームであると、画質が低下するのが一般的なので、一概に悪いとは言えない。でもまぁ、35mm 換算 105mm 程度は欲しかったのは正直なところ。

撮影モードの切り替えは、マクロだー、遠景だーと、撮影モードの切り替えが、ダイヤルですぐに変更できるのはとてもありがたい。メニューを開いてシーンモード変更してとか、マクロメニューに入ってマクロモードを選択して OK ボタンを押す、みたいなめんどうな作業がいらないのだ。使っていてとても快適である。まぁ、使うモードも絞られてはいるんだが。たまに撮影しようとしたら、ダイヤルが勝手に回っていることがあるが、まぁ、切り替えやすいので及第点か。

画質は・・・まぁ、等倍では「コンデジとしてはこんなもんだろ」程度だが、PC画面での縮小表示では結構いい感じになっている。縮小前提なら、どのデジカメも一緒じゃないの? とは思うが、いや、それでもなかなか満足できる範囲である。

で、総合的にどうなのかというと、4万ちょいだったんだから、これぐらいはできてくれないと! レベル前後であり、それなりに満足している。気になる点は上記を含め結構あるのだが、基本機能がクソで全く使い物にならない、金返せ! とまでの不満は全くない。友人が「水中でも使えるカメラがほしい」ということであれば、予算が許すならば WG-4 との二択でお勧めしたい。

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