さて、今回紹介するのは、SIGMA 400mm/F5.6 APO TELE MACRO AF (長い) である。所有している AF レンズで最も望遠な 1本である。

■出会い
数年前、某中野のフジヤカメラの中古で発見。お値段 3万円前後。既に生産完了なのだが、現行時代にもまったく存在を知らなかった。一晩考えこんだ挙句購入した。レンズスペックの割りに安すぎるんじゃないか? マクロって言っても 1:3 だし・・・とかなり苦悩した記憶がある。現在ならば、見つけたら即買いだろうと思うのだが、当時は SIGMA の 70-300 APO を所有していたんである。300mm で 1:3 のマクロ撮影が可能だったので、あまり変わらないんじゃね? 値段も安いから光学性能も疑問だし、と、二の足を踏んでいた。
ちなみに、姉妹品で 300mm/F4.0 (レビュー追加しました 2017.9) というものもある。これもフジヤカメラで見たことがあるのだが、購入を決意したときは既に売り切れていた。
現在は、Yahoo! オークションなどでもちらほら出品されているようで、概ね 3万円前後で落札されている模様。
■操作性とか
スペックは最短撮影距離 1.6m、撮影倍率 1:3 倍。マクロレンズと言うには、等倍、いや、せめて 1:2 ぐらいはいってほしいが、望遠であるので許容範囲としておく。
D90 や D7000 の組み合わせで使用しているので、x1.5倍で 600mm マクロというちょっと変態じみたレンズになる。焦点距離にしてはコンパクトなのだが、やはりそれなりにかさばる。手持ち撮影では重い。これは身体を鍛えなければいけない。望遠レンズだから当たり前なのだが、これより明るいレンズとなると、どれだけ重いのだろう・・・
AF が遅い
古いレンズなので、ボディ側モーターでの AF駆動となる。望遠レンズで駆動部分で負荷がかかっているのか、とても遅い。微笑ましいぐらいである。
早い話、動きが早い被写体での AF はかなりきつい。せめて 3秒ぐらい静止してほしい、と被写体にお願い。
MF 時のフォーカスリングの回転幅が狭い
最短~∞ が半回転にわずかに足りないぐらい。
本当に MF でマクロ域にピントを合わせるのがきつい。しかし、そこそこのトルクはある。スカスカであわせられない! ということはなく、回転幅が狭くてきつい! という感じである。
AF-MF 切り替えは、フォーカスリング手前のリングで変更
これは結構使いやすい。
フード内蔵
引き出して使用する。うむ、引き出せ。かさばらなくてよさげ。
三脚座は簡単に取り外し可能
緩めてダイヤルを引っ張ると、ぱかっととれる。このギミックに数年気づかなかった(汁
■光学性能とか
ちなみに、Photozone に Canonマウント (APS-C) であるが、レビューが載っている。
■Sigma AF 400mm f/5.6 HSM APO macro - Review / Test Report
http://www.photozone.de/canon-eos/306-sigma-af-400mm-f56-hsm-apo-macro-test-report--review
光学性能は、絞り開放 (F5.6) では 中央・周辺とも very good の値、1段絞った F8.0 のとき最高となり、中央部は excelent になる。それ以上絞ると、回折の影響で解像度が下がっていくが、F16 まで中央・周辺とも very good を保っている。
乱暴ではあるが、1段絞って使っとけってことですかね。時と場合によって臨機応変にいきたいものである。
AF でも MF でも、ファインダーで「本当に、ちゃんとピントがあっているか?」というのがわかりづらい。ファインダーで「よし!」と思っても、出てきた画像を見てわずかにピントがずれていて「あ~」と思うことが多い。D90 や D7000 は、APS-C 機としては、ファインダーはいい部類なので、それでもこれぐらいかー、と少々落胆する。
残念ながら、高級な望遠レンズを使ったことがないので「こんなものなんだよ」と言い切れないのが悲しい。ライブビューで拡大してピント確認、という手もあるだろうが、動物や虫相手だと現実的ではない。
■私的評価
正直、扱いに苦労する。
実際に、私の主な被写体は 春~秋 虫、冬 鳥 となっている。虫相手では、400mm 手持ちで戦おうなど正気の沙汰ではない。もちろん、動き回る虫相手に三脚なんか使ってられない。しかも、AF 遅い、となると、素直に 105mm マクロレンズ使うわ! ということである。ということで、もっぱら冬の鳥用となっていた。とは言うものの、その冬の鳥にしても、めったに出番があったわけではない。
しかし、一定のルートを巡回しているヤンマ系のトンボであると、割と戦えることがわかった今年の夏。100枚写して 1枚でもピントが合っていればいいじゃない、の精神である。しかし、本当に特定の用途だけでこのでかいかさばるレンズを持って歩くのか? この暑い中! と思うとやはり躊躇してしまう。なので、「今日はこのレンズで○○に挑戦するよ!」という強い意志を持ったときに、ようやく出番がやってくるのだ。当たり前だが、望遠、単焦点は何気なく持ち歩くレンズではないということである。
用途が決まっているなら即買い。遊びレンズとしても、3万前後ならお買い得だ。
生産完了製品なので、手に入れるには最寄の中古カメラ店や、Yahoo! オークションをこまめにチェックする必要がある。欲しいときに買えないのは苦しいので、少しでも興味があるなら見つけ次第買え、といいたい。一通り遊んだら、オークションに出せば、ほとんど差額は出ず、損はしないのではないだろうか。
(※ちなみに、私は転売で儲けることはしないタイプの人)









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