2017/01/20

Nikon D70s ~ 今更ながらの購入記&レビュー

さて。D70s 記事を書こうとして、10か月が過ぎた。
今は時間があるので、一気に書き上げてみよう! みたいな?

■所有一眼レフ履歴 ~ 購入に至るまで
さて。高校時代に写真部に入ってから、私の人生は写真とともにある・・・わけではない。10代のころにカメラの基本を学んだものの、その後はカメラ自体を触るだけ。日常の趣味として写真を気軽に撮れるようになったのは、デジタルカメラが普及してからである。フィルム・現像代は高いので、セレブの趣味だったんである。

写真部入部直後、親が知り合いからカメラをもらってきてくれた。それが Nikomat EL だった。当時は「一眼レフ」とはなにかも知らないため、親のコンパクトカメラで写真を撮ろうと考えていたのだが、こればかりは親に感謝せねばならない。思春期の少年は、知ったかぶりをしてよくわからないこととも「知っているふり」をするものなのだ。ありがとう、親父! これだけは感謝するよ! みたいな。

閑話休題。ということで、レンズ資産もあることから、常に Nikon 派だったんである。
これまで所有した Nikon の一眼レフは下記の通り。

D70 D90 D7000 D7100 D7200 D70SD500

はい? なんですかね、D500 の手前は。

D7100 あたりから、デジタル一眼レフとミラーレス機(マイクロフォーサーズ)を併用し、今ではすっかりミラーレス派! E-M1 最高! ・・・とはいえ、長年連れだったメーカー Nikon である。D500 は買ってやろうじゃないか。APS-C 最後になるかもしれないご奉仕だ! と意気込んで D7200 も買い取り価格が高いうちに手放した。準備万端で D500 の発売日発表を待っていたものの、見事に 3月下旬から 4月下旬に発売日が延期になった。もう、暴れたくなるところである。
実は D500 を迎え入れるために、レンズを 2本ほど購入していた。しかし、ボディが無ければレンズはただのガラスの筒なのだ。
ということで、新しいガラスの筒を眺めながら、「よし、ボディを買おう」とか思った。なかなかぶっ飛んだ思考である。ひどいな!

ということで、「2万以下で」という条件で、中野の聖地のカメラ屋の中古在庫とにらめっこしていた。程度のいい D5000 でもあればと思っていたのだが、欲しい時には品切れであった。そんな折、なぜか D70系の在庫が多量に増えていたタイミングがあった。仕事が早く上がれたので見に行ったところ、程度のいい D70 は無くなっていたが、D70s が残っていた、という次第である。これ、約12年前の機種なんだよね。D70 で約13年前という。
古いだけあって 1万円でお釣りがもらえた。ボディのみだけどな!

D70s。レンズは Sigma の 17-70mm


■実際に触ってみて ~ 時代を感じる機能の少なさ
さて、D70s は、Nikon で初めての一般向けといえるデジタル一眼レフカメラ D70 に、若干の機能拡張を施したものである。具体的には「ストロボの広角側の対応を広げた」 「背面液晶のサイズをアップ」「シャッターボタンが黒くなった」「機種名のラベルが黒くなった」ぐらいだったと記憶している。
一応、プロ・ハイアマ向けの D100 というものはあったが、定価が 30万という、やはり一般向けとはいいがたい価格設定であった。発売も D70 の 2年前なので、当然ながら購入の選択肢にははいらない。

ということで実際に触ってみたのだが、やはり時代を感じるものであった。

背面液晶が恐ろしいほど小さい
近年のコンパクトを含むデジカメは液晶が 3インチぐらいだが、D70s は2インチ(D70 は 1.8インチ)、解像度も約 13万画素と低い。プレビューで詳細なピントの山やブレの確認は不可能。

さすがに背面液晶が小さい


ファインダーが狭い
ファインダーがダハミラーなため小さく、ピントの山の判断がかなりつきづらい。ちなみに、D80 以降の中~上級機は、ペンタプリズムになったのでファインダーが広く見える。D5000シリーズ以下もダハミラーなので、Nikon の初~中級機は今も皆見えづらいということではある。

RAW+JPEG 保存時に BASIC しか選べない
RAW+JPEG 保存で、JPEG の画質が BASIC(最低画質)しか選べない。RAW+JPEG FINE が実装されたのは、後継機種の D80 から。
JPEG はサムネイル代わりとして使えばいいと割り切ればいいのだが、RAW現像がめんどうで、そのまま JPEG を利用したいときにはちょっと画質的に残念なことになってしまう。

メニューの設定項目が少ない
設定項目少ねぇ! 直系の機種を買い次いで来たのだが、先祖返りすると、ここまで最初はシンプルだったのか、と驚愕した。
あれ、ダイヤルの入れ替えってできたっけ? メニューの詳細設定を選ぶと、ダイヤルの入れ替えが出てきた。ただし、使うダイヤルを入れ替えるだけで、ダイヤルに機能を設定することはできない。

ピントが合うスピードがのろい
AF 遅くね? レンズ内モーターでもちょっとこれは・・・。まぁ、古い機種だし、こんなもんだろう。

ライブビューができない
ライブビューが実装されたのは D90 から。これから2世代後。しかし、ファインダーを覗かずに写真を撮るのが当たり前の時代で、これを使うというのはちょっと辛い。

自動クリーニング機能がない
あの、電源入れると撮影素子がプルプル震えて、自動でホコリを落としてくれる、というやつである。これもまた、D90 からの機能である。撮影後に画像にホコリが原因のもやもやがあるととてもがっかりするので、必須の機能と言っていい。ちなみに、最新の入門機種 D3400 では省略されてしまった。なので、D3400 は買うな(ひどい脱線

などなど、これはもう過去の遺物だな! という。

画像サイズも、昔は「600万画素もあれば十分。高画素化よりも高感度耐性を上げて!」と主張していたのだが、やはり今となってはきついかな~と。最低 1600万画素ぐらい欲しい。というところで D500 の 2000万画素はちょうどいい、みたいな。


■撮影サンプル ~ 今でも十分見れるわ
設定できる ISO の範囲は 200~1600 ととても狭い。いや、D70 が発売された当時は、一般的に手に入りやすい高感度のフィルムでは、モノクロで 1600、カラーで 3200 ぐらいだったんだけど・・・。フィルムから乗り換えを促す製品ともいえたので、全く問題ない範囲だったのだが、やはり時代を感じる。

一覧はこちら。レンズ情報は Exif 参照とのこと。

以下 8枚 ISOサンプル。JPEG は FINE、RAW は Lightroom で読み込み、ノイズ軽減無しで保存した。カラーバランスが黄色に寄ったり、青に寄ったりとばらつきがあるのは、光源が蛍光灯だからである。許せ。
ISO1600 だとカラーノイズが見えるが、ちょっと補正すれば、きれいに消える。というか、デフォルトパラメーター(シャープ 25カラーノイズ軽減 25)だけで十分使い物になる。さらに手動で輝度ノイズを消してやれば、現行機種と遜色ないレベル。ソフトウェア処理万歳! 今の時代、まだ D70s で頑張ろうなんている人はいないだろうけど。

https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/31556512534/sizes/o/https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32359626416/sizes/o/
IS200 JPEG FINEISO200 RAW
https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32398969165/sizes/o/https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32278450681/sizes/o/
ISO400 JPEG FINEISO400 RAW
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ISO800 JPEG FINEISO800 RAW
https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32398968865/sizes/o/https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/31587891343/sizes/o/
ISO1600 JPEG FINEISO1600 RAW


撮影サンプルは RAW を Lightroom で読み込み、基本はパラメーターをそのままで書き出したもの。
さすがに 600万画素なので 100% 表示にすれば小さいけども、極端に明るい/暗い被写体でないかぎり十分見れるんじゃ? 1枚だけシャープをごりごりかけてみたけど、全く問題ない画質な感じ。
ただ、撮影時期が昨年(2016年)の 4月1日なので、まだまだ寒々とした内容になっておりまする。もっと彩度の高い被写体だとまた変わってくるのかもしれないが、当時はこれが限界ということでひとつ。

https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32359745796/sizes/o/

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https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32359745546/sizes/o/

https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32359745806/sizes/o/

https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32278555881/sizes/o/

https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32278555711/sizes/o/
ノイズ低減とシャープネスを調整したサンプル
https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32248934232/sizes/o/

https://www.flickr.com/photos/31204622@N02/32254199892/sizes/o/


■総評 ~ 機能は古いが写りはいい
この時代のコンデジは AF が遅く、ライブビューの背面液晶も小さく、画素も荒い、バッテリーもすぐ切れるひどいものだった。そのため、AFが(当時は)速く、ピントの山がわかり、ほとんど電力を食わないデジタル一眼レフは本当に桁違いに素晴らしいものだった。
その中でも D70 は、電源を入れたらすぐに撮影でき(数秒待たないといけない機種もあった)、バッテリーが満充電だと 2000枚以上撮影できる(カタログ値よりも多い。他メーカーだと逆にカタログ値のみならず実際の撮影可能枚数も D70 の半分以下だった)など、ライバルより機能的には一歩先を行っていた。当時は所有しているだけでうきうきしたものだ。

ということで、D500 を手に入れるまでにおもちゃとして使った D70s。機能は今となっては到底満足できないものだが、撮れた写真は画素数が少ないが、画質的には全く問題ない。

さすがに D500 を手に入れた後はお払い箱なのだが。どれくらいお払い箱かというと、一番しょぼいレンズつけて、デジタル一眼レフほしい人に押し付けたぐらいであった。ということで、手元にはもうない。はっはっはっ。今思うと、ちょっと惜しいことをしたかもしれない。それだけ D500 入手時のテンションが高かったんである。

ということで、もし今所有するならば、デジタル一眼レフに興味はあるけど触ったことがないという人に勉強用として貸し付ける用としてならアリかな? と言ったところか。今ではメイン機としてはきついし、サブとしてもきつい。

自分で買っておきながら、布教活動用かよ!

とセルフ突っ込みな機種である。
いや、何度も言うけど、撮影した画像は全く問題無いんだけどね・・・。



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